大量採用の新卒採用、スペシャルな一人を狙う中途採用

大事なことですので、ここは項目を別に立てて解説しようと思います。新卒採用の考え方として、基本的には多くの人材に応募してもらいその中から選ぶ、だと思います。採用難が続く昨今、この考え方にとらわれている企業も少なくなっていますが、今もって母集団形成からの選別は基本的な流れであるようです(さまざまご意見あると思いますが、新卒の問題はここでは深く取り上げません)。しかし、この手法や考えは、中途採用にはまったく当てはまらないと言っていいでしょう。

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求人広告の制作について中途採用ならではの戦略がある

新卒は基本的に大量採用が原則です。100人200人と採用するなら、ある程度の母集団の形成は必要になるでしょう。一方で、中途採用の場合は、もっと規模が小さいのが普通です。10人採用でも多いほう、1~2人ということも少なくありません。そうした事情を考慮すると、母集団を形成するという行為が果たして有益なのか疑問も生じます。また、中途採用を行う企業は、人事の専任担当がいないことも少なくありません。ただでさえもやることが多いのに、書類選考と面接に工数をかけるのは正しい戦略なのかという話にもなるでしょう。

中途採用は一人応募一人採用がベスト

では、中途採用の目指すべきゴールはどこにあるでしょうか。結論から言うと、一人応募一人採用がベストだと、私は考えています。最適な人材に応募してもらって、その人材を採用すればいいという考えです。一般的な優秀人材(コミュニケーション能力が高い、学歴がいい、語学に堪能など)とはかけ離れているかもしれないが「まさに当社にピッタリだ」という人材と出会い採用すれば、応募した側も応募された側も嬉しい、win-winとなるのです。他方、「比較して選びたいんだけど」という声もあるでしょう。気持ちはわかるのですが、ちょっと考えてほしいことがあります。

比較するのは一見、当たり前のようにも感じられます。しかし、何を比較するのか、ということが問題として上がるはずです。おそらく、「いい人材」を応募した中から選びたいという気持ちがあると考えられますが、その「いい人材」がどんな人物なのかわかっていなければ、本来なら選びようも比較しようもないはずです。求人を始める企業で、採用で狙うべき人材(ターゲット)が見えてないことが実は往々にしてあるのです(ターゲットについては別途詳しく述べます)。一つ言えることは、優秀な人材と「当社にとって」優秀な人材は往々にして大きな開きがあるということです。

肌感覚では、なんとなく採用しようとしている企業が半分くらいではないかと思います。しかし、ターゲットを明確にしないまま求人を始めると失敗するケースが非常に多いのです。どんな人物を採用するか定まっていないが、とにかく応募をかけよう、そして、いい人がきたら採用しようという発想がいかに危ういか、ちょっと考えればわかるはずです。なぜなら、その「いい人」がどんな人かわかっていないのだから。仮に採用できたとしても、その人材が本当にふさわしかったのか、判断しようがありません。多くの場合、「なんか違う」となるでしょう。これは採用されたほうにとっても不幸なことです。また、募集をかければ人が来た時代なら来た人の中から選ぶのは可能だったかもしれませんが、この採用難、人手不足の時代に、同等のことを行うのは、下策と言っても過言でありません。

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ターゲットの明確化は、質の高い採用につながる

新卒の場合、ターゲットを設定すると言っても、安定志向かベンチャー志向か、リーダータイプかアントレプレナータイプかと、ざっくりしていることが多いです。大量採用かつ総合職採用という事情のため、あまり細かく設定できないということもあります。一方、中途の場合は、少数採用だったり経験者(即戦力)採用だったりで、詳細な人物設定が可能です。と言いますか、そうする必要があるのです。採用要件を固めないことには、中途採用は実現しないと言ってもいいほどす。

採用のターゲットを明らかにすれば、判断基準のないままに会ってみて良い人材かどうか判断しようという不毛なことがなくなります。会ってから決めるのは、ある程度ターゲットが絞れている段階で行うのが効果的で、人物要件がまったく定まっていない状態で会ってみても、良い人材かどうかの見極めもできず、お互いにとって時間の無駄だったというマイナスの結果だけが残ります(そもそも、応募があるかも怪しいものです)。

中には「経験・知識は一切不問。広く人材と会うことにしており、書類選考もしていない」というケースもあるでしょう。しかし。そのことと人物設定をしていないということと話は別です。会社には固有の社風がありますので、どうしても合う合わないは発生します。「ウチは来るもの拒まずで、アットホームな雰囲気だ」としても、そういう社風と合わない人もいます。そして、人物面で効果的にセグメントができるのが求人広告です。意図的にターゲットを絞っているつもりはなくても、自社の特徴や強み、あるいは課題や弱みを伝えることで自然とターゲットが絞られる、つまり、人物要件が固まっていくのです。はっきり「〇〇な人」と書かなくても、どんな人物なら合うかが自然と伝わります。なぜ伝わるのかと言えば、多くの求人広告は一定のボリュームがあります。スペースを埋めるつもりで自社の特徴などを書くことで、ターゲットが絞れてくるわけです。

もちろん、十分なスペースを上手に活用することで、ターゲットに向けてより強い訴求ができます。意図的に社内の雰囲気や入社後に求められること、必要とされる能力、会社側から提供できるメリットを見せることで、本当に採用したい人材からの応募につながるのです。「いい人材」は企業によって千差万別です。同じ業界でも、A社ではダメだが、B社ではエースになったなどという話は、ざらにあります。自社にベストな人材を探す(設定する)ことこそ、採用の醍醐味であり、この採用難の時代を生き抜く一つの有力な方法です

まとめ

・採用したい人材(ターゲット)を明確に。
・母集団形成は採用活動のゴールではない。
・中途採用の理想は、一人応募一人採用。

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