【求人広告の作り方2】ターゲット(ペルソナ)を設定する方法
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求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法②

中途向けの採用コンテンツでは、ターゲットの設定がとても重要です。ターゲットがコンテンツ全体を左右すると言っても過言ではありません。ここではターゲットについての考え方や、具体的な設定方法について解説します。合わせて、ターゲット別の訴求点もご紹介したいと思います。ターゲットはペルソナと言われることもありますが、ここではターゲットで設定します。また、ターゲット設定は人材要件とニアイコールですが、人材要件と比較すると、より定性的な側面に踏み込んだ内容となることがほとんどです。

※本ページは「求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法」でお送りしているシリーズの第2回です。

ターゲットを設定する、とは。

採用コンテンツを作成する時は、ターゲットの設定が最重要課題の一つです。「誰が・誰に・何を・いかに」の項目でも言及したように、ターゲット=誰にで全体の構成が大きく変わるのです。ターゲットを設定することを、求人広告の世界では「ターゲットセグメント」などということもあります。その言葉通り、ターゲットを分割し狭めていくのが、ターゲット設定の考え方であり、具体的な手法です。

ターゲットとは、一言でいえば「欲しい人材」です。別の角度から言うなら、「活躍できる人材」です。どのような人材が自社に合っているか、活躍できそうなのはどんな人か、それを考えるのが、ターゲット設定とも言えるでしょう。

最近では、「ペルソナ」というマーケティング用語を聞いたことがあると思います。マーケティングでは、ターゲットは広く集団を指すのに対し、ペルソナは個人にフォーカスするとされています。一方、求人広告ではターゲット設定の際に、「丸の内勤務の女性、25歳。地方(静岡県)出身でMARCH卒業後に都市銀に入社。豊島区にワンルームマンションを借りて……」などとすることがあるので、両者はほぼ同じだと捉えて構いません。求人広告は20年も前から細かくターゲット設定していた慣習があるので、ここでも基本的にターゲットという言葉を使うこととします。

求人広告のターゲット設定は定性面を重視し「気持ちに寄り添う」ようにすることが多いです。例えば、「人材サービス会社で営業をしている。仕事にはやりがいを感じているし、それなりの成績も収めている。ただ、残業が多いのと給与面に不満がある。この先ずっと続けられる仕事ではないと感じている。ワークライフバランスと将来の安定を手に入れたい」「工業高校を卒業し、工場で製造スタッフとして働いた。その後、もともとコミュニケーションに抵抗がなかったことから営業に転職したが、やはりものづくりの世界に戻りたい。技術力を磨き、将来は製造から設計にもチャレンジしたいと考えている」――などとなります。求職者は基本的に何らかの不満や問題、課題を抱えているから求人広告を見ています。このため、必然的に気持ちの部分を重視することになるのです。上記のターゲット設定で、どんな会社の応募か透けて見えるようなら、かなり求人慣れしていると言えるでしょう。実制作ではもう少し詳細に設定します。条件(経験や能力など条件)もよりはっきりさせます。

また、ターゲット設定に近い用語として、ペルソナのほかに人材要件があります。人材要件はどちらかというとスキルや経験にフォーカスした内容で、求人票の「必須条件」「歓迎条件」を定めるのが人材要件とニアイコールです。最近は「スペック」という言われ方もされています。求人広告の作成では、まずは人材要件が無理のない設定になっているか確認し、その上で、さらに詳細に人物像を明らかにしていきます。ごく簡単に言うと「今回は営業経験が必須条件で、人材業界の経験が歓迎条件」とスキルや経験を明らかにし、ではなぜ転職するのか、何が不満で何を求めて転職しようとしているか、どのような人物だと求人企業とマッチするのか、と求職者の内面に着目しながら、ターゲットを設定していきます。

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あり得ない設定にしていないか。

ターゲット設定をする場合に気を付けなければいけないのが、「あり得ない設定」を行わないことです。例えば、こんな具合です。「東京大学を経てハーバード大学を卒業した、宇宙工学のエリートで、アメリカの民間ロケット開発会社でエンジニアとして腕を振るっている。しかし、日本のものづくりに興味があり、中でも現場系の仕事に携わってみたいと考えており、町工場への転職を希望している。もちろん、英語はペラペラである」。書いていて自分で笑いそうになってしまいました。しかし、笑い話にはできません。ここまで極端でなくても、これに近いような設定は散見されるのです。仮に万が一市場にそうした人材がいたとして、どんな仕事を任すつもりなのか、給与をいくらにするのか、という問題も出てきます。あり得ない設定というのは、そんな人物がいるのか、というのと同時に、自社の許容範囲を超えた人材、つまりオーバースペックの人材も含まれます。特に後者の設定には陥りがちですので、自社(「誰が」)を客観的に見直すことも非常に重要なのです。

さらに、上記はかなりまじめ(堅め)に表現していますが、転職の真の理由はもっと泥臭いものであることがほとんどです。前向きな気持ちより、どうしてもマイナス面の課題を抱えがちなのが転職の一つの大きな特徴でもあります。口ではいくら綺麗事を言っていても、「上司が気に入らない」「自分よりできない奴が金もらってる」「残業はあるのにないとウソ言っている」「上司にこびてるやつが出世した」「社内が宗教染みて気持ち悪い」「人に接する仕事はもうしたくない」「仕事で失敗して居づらくなった」「もう疲れた、楽な仕事をしたい」など、本音のところはさまざまあります。

本音に良いも悪いもありません。そうした裏事情が表立って語られるかどうかは別にして、加味することは打ち出し(「何を」、訴求点)のヒントにもなり、制作物全体のトーンにも影響します。時にいかにも人間臭いコンテンツになることもあるのですが、求職者の表に出てこない本音や裏事情を知り、考慮して制作に臨むことは、求人の面白さの一つであると、個人的には感じています。

まとめ

・ターゲットセグメントは求人制作の非常に重要な部分。
・求職者の本音の気持ちに寄り添うことが大事。
・自社を見返した上でターゲットを設定する。
・転職は泥臭い気持ちが伴うこともあると理解する。
・ターゲットが決まれば訴求点も自ずと見えてくる。

次回第3回は⇒こちら

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