求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法⑦
自社を知る機会は、多いようで意外と少ないものです。ぜひ一度、見つめなおしてみてください。周囲の誰も賛同してくれない時は、自分一人でもいいので行ってみてはいかがでしょうか。それだけでも随分と採用へのモチベーション、もちろん、結果も変わってきます。ここでは、自社の特徴や優位性を探す時のコツや注意点を紹介します。独善に陥らないために、重要な点ですのでしっかりとご理解いただければと思います。
※本ページは「求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法」でお送りしているシリーズの第7回です。
「求職者の視点」を意識する。
自社や仕事の特徴や優位性というのは、この場合、求職者にとって、です。市場やユーザーにとっての特徴や優位性を改めて知るのも大切ですが、そことは少し切り分けてください。自社商品・サービスの市場優位性と採用視点での優位性は、時として大きく異なることは既に述べた通りです。あくまで「求職者にとってどこがいいのか、何がメリットになるのか」を考えていただきたいと思います。同時に「働く人=従業員」は何が良くて働いているのかを、自分を振り返りながら探ってみてください。それはそのまま求職者にとってのメリットにつながります。
自社や仕事の特徴や優位性を探す手法は、グループディスカッション、インタビュー、アンケートなどがあります。それぞれ一長一短あり、これが絶対というものはありません。グループディスカッションでは、さまざまな角度から意見を聞けるので、新たな参加者にも新たな発見があるでしょう。インタビューは個人の思いを深く聞けますし、アンケートは全体の傾向を知ることができます。不慣れな場合などは外部の専門家に頼ることも考えられますが、いずれか一つくらいは自身の手でやってみることを推奨します。一度でも経験しておくと、外部の専門家とも連携が取りやすくより質の高いものを得られるからです。また、グループディスカッションやインタビュー、アンケートの結果は、社内報に載せるなど二次利用もできます。社内のスタッフが興味を持ってくれたら、しめたものです。
転職者の声を金科玉条にし過ぎない。
他社から見た自社の良さを知る手段として、転職者の声を聞くのは非常に有効です。お金をかけず手っ取り早くできますし、情報の価値も高いと言えます。中途入社の方は一人はいると思いますので、ぜひインタビューして生の声を聞いてみてください。どんな点に引かれて入社し、何が他社と違っているかが見えてくるはずです。これは求人広告を制作する過程でも、必ずと言っていいほど行っています。それだけ、有効性が高いということです。
ただし、いくつか注意点があります。もっとも大きなものは「本当の本音を話しているかは不明」ということです。これはインタビュー全体に言えることですが、本当の本音というのはなかなか出てきません。本人は本音を話しているつもりでも、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、嫌な出来事が美しい思い出に変わっていることもあります。仮に本音が出てきても、公表できるかどうは別問題ということもあり得ます。
また、インタビューの解答はあくまで「個人的な見解」という点にも注意が必要です。時々、転職者がこう言っているからこうなんだ、という強気?な意見を聞くこともあります。確かに、転職者の意見は重要な一つの情報ですが、絶対ではありません。転職者の声を大切に扱いながらも、金科玉条にし過ぎないバランス感覚は大事です。加えて、インタビューで得られる情報は、インタビュアーの力量に左右されることも知っておかねばならないでしょう。出来上がった制作物(求人広告、HPなど)を社内の転職者に見せ、良し悪しを判断することもあるようですが、その意見を絶対視するのは危険です。あくまで重要な情報だけどやはり一意見として捉える感覚は大切です。
最終的な出来栄えはディレクター(コピーライター)が判断し、可能であれば外部の目を通すことをおススメします。少なくとも他部門の人に読んでもらうようにしてください。内部の人は客観的な判断が難しい上に、身内の言葉(外部の人間には理解できない専門用語など)で表現してしまいがちだからです。
以上、最後は少々、転職者インタビューに寄った話になりましたが、自社を知る際に陥りがちな点を述べてきました。ぜひ参考にしていただければと思います。
まとめ
・求職者の視点を意識して自社の良さを考えてみる。
・なぜ働いているのか、自問してみるもの有効。
・転職者の声を聞くと、どんな点に引かれて入社してかが見えてくる。
・ただし、転職者の声はあくまで一人の意見。全体の声ではないので注意すること。
次回第8回は⇒こちら