【求人広告の作り方11】表現は最後の最後に考える
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求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法⑪

これまで「誰が・誰に・何を・いかに」という観点で、それぞれ分解しながら効果的な求人広告の作り方を紹介してきました。今回いよいよ最後の「いかに」の開設に入ります。いかには最終的な表現の部分で、多くの人が非常に興味を持つところでしょう。「誰が・誰に・何を」までは表に出ない部分で、「いかに」はキャッチコピー・ボディーコピーなどとして表現される部分なので、その意味で非常に大切な個所には間違いありません。良いアイデアを出そうと意気込む向きもあるでしょう。しかし、実は表現だけを切り取って考えるのは事実上、不可能だと思ってください。「いかに」は「誰が・誰に・何を」の結果でしかありません。「いかに」つまり表現だけを考えて効果を出すのは無理があります。実は1~10回で解説した部分で、求人広告など採用コンテンツの良し悪しほぼ決まっていると言っても過言ではありません。このことを踏まえて表現について考えてみます。では、詳しく見ていきましょう。

※本ページは「求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法」でお送りしているシリーズの第11回です。

いきなり表現から入ってはいけない。

「いかに」はキャッチコピーやボディーコピー、デザインそのものです。トーン&マナー(トンマナ)も「いかに」に含まれます。一番目立つ部分です。と言いますか、他の部分は表面的には見えません。ただし、いかに(表現)の裏側には「誰が・誰に・何を」があります。「誰が・誰に・何を」までを広告設計ということもできますし、企画ということもできます。通常、「誰が・誰に・何を」までが明確になった段階でコンセプトを練ります。設計や企画、コンセプトがなければ、表現はできません。何をどう書いていいのか、まったくわからないからです。つまり、実際のところ「誰が・誰に・何を」の段階で勝負は概ね決まっていると言えるのです。優れた制作者は実際に表現に落とし込む前に企画を練りこみます。アマチュアレベルの制作者はいきなり表現から考え出します。「とんがった表現にしよう」とか「格好良く作ろう」とか、どんな企業がどんなターゲットを狙っていくかが定まる前に考えてしまうのですね。はっきり言って失敗するパターンです。表現以前の部分をいかに考えられるかがプロとアマチュアの違いだと思ってくれてかまいません。

「求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法」1~10では「誰が誰に何を」についてそれぞれの考え方を紹介してきました。実際に求人広告を作る時も、基本的には「誰が・誰に・何を」を考えながら、広告設計や企画、コンセプトを練ります。「いかに」ではその出てきた結果に合わせ、コピーライティングやデザインをしていくのです。例えば、堅めな企業がまじめなミドルをターゲットにするなら、まじめなトーンできちっと表現するのが基本になります。ベンチャー企業がガッツある若者を狙うなら、勢いのある表現になるでしょう。立ち上げたばかりの新部門が、知見のあるベテランを採用しようとするなら、丁寧で教えを請うようなトーンにするのが適切でしょう。このように、「誰が・誰に・何を」と「いかに」を連動させることが大事で、連動させることでとても訴求力のあり、効果の期待できる求人広告が出来上がるのです。

第10回「求人の打ち出し(訴求点)のパターン。」で「何を」は「誰が」と「誰に」が決まれば自然と導き出されると指摘しましたが、「いかに」も同じように考えてほぼ間違いありません。もっと言いますと、「何を」よりさらに考えることが限定されています。これまでに決定した打ち出しやテーマをどんな言葉で落とし込むか、シンプル&リッチコンテンツのコンテンツ要素をどのような順番で言い表そうか、ということを中心に考えます。

誤解のないように言いますと、表現に落とし込むには時間もかかりますし、テクニックも経験も求められます。しかし、「いかに」だけをいかに考えようと(なんだか冗談を言っているようですが至って本気です)おのずと限界があります。せいぜいできるのは言葉遊び程度だと思ってもらってかまいません。

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このキャッチコピーでうまくいく、は参考になるのか。

巷には「このキャッチコピーでうまくいく」の類の本があふれています。そうした事例を参考にすることは有効でしょうか。結論から言うと、有効です。大いに参考にすべきです。ただし、使い方を間違えると大失敗します。ついでに言いますと、多くの場合が使い方を間違っています。

どういうことでしょうか。問題はどのように参考にしているかです。正しい方法としては、「誰が誰に何を」が決まった段階で「いかに」の部分の言葉使いや言い回しの参考に事例集に目を通します。一方、いきなり事例集を手に取り、何となく自社に合いそう、とにかく気に入った、などの理由でキャッチコピーを借用しても、まずうまくいくことはないでしょう。

繰り返しになりますが、「いかに」の部分のキャッチコピーはあくまで「誰が誰に何を」の結果です。「求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法」をしっかりと読んでいただけたのなら、キャッチコピーだけ切り出して考えるのがいかに無謀で無意味かわかるはずです。正直なところ、ほんの少し話を聞けば「それっぽい」キャッチコピーは作れます。ただ、それを本当に使うのかという問題も出てくるでしょう。

プロのコピーライターはキャッチコピーの裏側にある企画意図を考慮しながら、実例を目にします。上っ面だけを真似るのではありません。自社に合ったキャチコピー、オリジナリティの高い求人広告や採用コンテンツを作るには、自社を知り、ターゲットへの理解を深めることです。「誰が誰に何を」をどれだけ考えるかが「いかに」の出来を左右します。ぜひ覚えておいてください。

とはいえ、実制作に当たり、何らかのフレームワークはやはりほしいものです。次回はキャッチコピーを中心にフレームワークをご紹介します。

※余談ですが、中途採用に関してはキャチコピーの事例集の類はほぼないというのが現状です。実例を知りたければ、今のところ、dodaやイーキャリア、クリエイト転職などの転職サイトを見るしかありません。今後、何か実例集のようなものが作ればいいかなとは思っています。

まとめ

・「いかに」はキャッチコピーや文章、デザインそのもの。
・いきなり表現である「いかに」から考えてはダメ。
・アマチュアは表現に目が行き、プロは企画を考える。
・「いかに」は「誰が誰に何を」が明確になり、導き出される。
・「誰が誰に何を」の深い理解が「いかに」の出来を左右する。
・キャッチコピーは事例を参照すべきである。
・しかし、上っ面の言葉を真似るだけでは失敗に終わる。

次回第12回は⇒こちら

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