KCCの求人レポート（2020年8月30日発表）

‘20年8月のKCCによる求人レポートです。7月に続いて8月も連日、都内の新型コロナウイルス感染者数の増加が報道されています。300人～200人を上回る日も続き、累計の都内感染者数は20,000人を超えました。この影響で、対面で販売・サービス提供をしている小売り・飲食業界各社を中心に大きな打撃を受けえています。東京商工リサーチの情報によれば、新型コロナウイルス関連倒産は‘20年7月で89件（2月以降、累計329件）発生したとのこと。

この状況下で多くの企業は、引き続き人材採用という投資に踏み切るのが難しいようです。それでは今月も媒体社ごとの動きを見ていくことで、中途採用市場の実際を見ていきたいと思います。

求人倍率について（6月）

‘20年6月（20年07月に発表）の全体求人倍率は1.66倍（前月比－0.37pt）。ついに2倍から下回りました。KCCがレポートをスタートして以来最低倍率を更新中です。「doda」の解説によると『求人数は微増したものの、転職希望者数が2割ほど増加したため、求人倍率は下降しました。前月比で求人数は100.2%、転職希望者数は122.3%となりました』となっています。

業態ごとの傾向を見ると、先月と同様にすべての求人倍率が減少。もっとも6月は、緊急事態宣言が5月末に解除された影響で求人数が微増していたようです。

求人媒体各社の求人掲載数は？（8月）

「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の主要4媒体に加えて、「type」「re就活」の求人広告件数は、合計で124,114件（前月比＋7,352件）。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビNEXT」がトップシェアをキープ（「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています）。シェアの順位は変わらない模様です。なお、「re就活」を除く全ての媒体が、求人数を先月よりも増加させています。なお、新型コロナウイルスの影響で求人数が減る前の3月時点の水準まで「doda」を除く各媒体社が持ち直している状態です。新型コロナウイルスが終息する兆しが見えない中で、来月以降も引き続き媒体社の動きからは目が離せません。

IT求人数についての考察（8月）

「IT・通信」業界における8月の求人数は、7月から先月に続いて微増。新型コロナウイルスの感染拡大の終息は未だに予測がつかないため、9月以降の求人数にも注目していきましょう。SESをメインに事業展開しているIT企業に話を聞くと「経験が浅いエンジニアを受け入れてくれるプロジェクトが減少している」という声がありました。

一方、事業会社自体が社内SEを増員募集する求人もチラホラと目にするようにも感じます。DXといったビッグワードが盛り上がるなか、企業はIT人材の囲い込みをはじめているのかもしれません。

KCCでは引き続き、企業人事にお役立ていただくための求人レポートを続けていきます。