KCCの求人レポート（2020年11月30日発表）

‘20年11月のKCCによる求人レポートです。国内の新型コロナウイルスの感染者数が増え続け、11月29日には全国で2571人の感染が発表されました。「第三波」が猛威をふるっている状況です。

コロナ禍における景気刺激対策として実施されたGoToトラベル・イートは、見直しや停止が発表されました。感染拡大が目立つ札幌・大阪市は、除外が決定しています。

繰り返しになりますが、新型コロナウイルスへの対策は長期戦を覚悟する必要があるでしょう。採用に関する話題は、新卒採用の大幅な削減を大手企業各社が見直しているなどが目立ちます。それでは今月も、媒体社ごとの動きを見ていくことで、中途採用市場の実際を見ていきたいと思います。

求人倍率について（9月）

‘20年9月（’20年10月に発表）の全体求人倍率は1.61倍（前月比－0.04pt ※doda発表による）。先月から減少しました。「doda」の解説によると「求人数、転職希望者数ともに増加したものの、転職希望者の増加のほうが大きく、求人倍率は低下」となっています。

業種ごとの傾向を見ると、メディア系のみが微増。「doda」の解説によると「『メディア』では、インターネット広告やWebマーケティング関連の企業が新たに求人を出し、積極的に採用活動を続けています」とのことでした。

求人媒体各社の求人掲載数は？（11月）

「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の主要4媒体に加えて、「type」「re就活」の求人広告件数は、合計で133,295件（前月比＋6,097件）。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビNEXT」がトップシェアをキープ（「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています）。シェアの順位は変わらない模様です。なお、先月に続いて「エン転職」は求人数が伸びず、今月だけだと「type」が求人数を伸ばせませんでした。それ以外の媒体は、求人数を先月よりも増加させています。しかし、新型コロナウイルスの「第三波」の影響に伴って、今後の先行きが再び見えづらくなっている状況です。来月以降も、求人媒体各社の掲載数は足踏みが続く可能性が高いと考えられます。

IT求人数についての考察（11月）

「IT・通信」業界における11月の求人数は、1,180件程度増加しました。新型コロナウイルスの影響で、求人数が減少したのは5・6・7月のみで、8月以降は約1,000件ずつ求人数が増加。「IT・通信」業界における求人数は、2020年度で11月時点が最も多い状況です。 

新型コロナウイルスの影響が深刻化するなかでも、12月度は引き続き、ITエンジニアを求める企業は増え続けるでしょう。

KCCでは引き続き、企業人事にお役立ていただくための求人レポートを続けていきます。