【コラム】求人広告のコピーライターの役割、仕事・職業を伝える
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仕事の意義を伝える

求人のコピーライターは、採用を成功に導くことが、第一義の役割として課せられています。第一義と言いますか、もしかしたら、それ以外に何があるのだと思われるかもしれません。しかし、あくまで個人的な見解ではであるのですが、求人広告のコピーライターには、仕事あるいは職種の意義、尊さ、価値、素晴らしさを伝える役割があると捉えています。

仕事を通じ社会との関りを持つ、尊いお金を得るために尊い仕事・働きをする、仕事を通じ自身を成長させ社会に貢献する、仕事を通じ人生を豊かにする、仕事を楽しむ――。少々きれい事に感じるかもしれませんが、仕事の持つ重要な側面です。求人広告のコピーライターは、もっとも多くの仕事・職業を見聞できる立場の一つにあり、言葉にする技術を持っていて日常的に情報を伝えています。このため、それぞれの仕事・職業の業務内容を伝えるのはもちろんのこととして、同時に意義や価値を伝えることができればと思っているのです。

一介のコピーライターがなぜそこまで踏み込んだ考えをするのかと問われると、上記の仕事や職業の重要な側面が、ほとんど伝えられていないのではないかと感じるからです。今の時代は、仕事すること・働くことが敬遠されているような気さえします。いかに労働時間を減らし、プライベートな時間を確保するかがとても重視されており、その考え自体は否定されるべきものではないでしょう。しかしながら、その背景に「仕事は人生にとって無駄な時間である。苦役である」という思想が見え隠れするのは違和感を覚えます。「働くことは損である」という発想がベースにあるようにも思えるのです。

仕事に対する誤解

仮に私の違和感がある程度、理解されるとして、このような発想が蔓延する背景には、仕事や働くとの意義を教えるキャリア教育がされてこなかったことがあると考えられます。多くの場合、学校の卒業年度近くになって初めて働くことを考え出し、いわゆる就職活動を始めます。それも、とにかく就職・就社することに重きを置き就職活動を進めるため(少なくとも私はそうでした)、社会人としてどのように社会に関わっていくかなどということはほとんど考えたことがないかもしれません。

その一方で、働き過ぎは良くない、ただ働きはするな、給与分に見合った働きをするのがベストなどの考え方は、学校生活やメディアなどを通じ、かなり初期の段階からきちんとインプットされます。これらの考えも間違いではなく正しいのですが、これらだけを伝えるのは片手落ちと言わざるを得ません。

また、いざ就職すると、今度は成果主義のもと数値で厳しく管理されます。成果を数値で見られることそのものは良いとして、数値に表れない価値(これは絶対にあると思います)は評価されません。社員は入社以来、数値を上げることこそ最高の価値と教育されていますので、数値に表れない仕事はしようとしません。これは至極当たり前の発想です。仕事そのものの価値や楽しさあるいは自身の成長を見出すよりも、いかに数値を上げるか、あるいは目標を下回らないようにするかという発想に切り替わります。

ついでにいうと、「仕事の報酬は仕事」という金言を都合のいいように解釈し、仕事を押し付けることも横行しました(ブラック企業のやり口ですね)。これでは仕事に面白さを見出すのは不可能です。仕事の報酬は仕事は、頑張ればより面白い仕事ができるようできるようになるということで、現状の仕事を押し付けるためにある言葉ではありません。

正直なところ、私自身も仕事の意義や価値などをまともに考えたことはありませんでした。ただ、求人広告などの作成やその取材を通じ、その機会に恵まれました。仕事は確かに大変で嫌なことも起きますが、そればかりではないというか、良いものだと思えるようになったので、そのことを伝えていきたいと思った次第です。伝える手段は求人広告だけでは限界があるので、当サイトを活用するのはもちろんのこと、他の方法も模索中です。

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さまざまな仕事が一つの社会を作っている

仕事や職種は個々に見ればさまざまあるのですが、社会全体を眺めれば、すべての仕事が相まって一つの仕事あるいは社会を形成している、そう言えるのではないかと思っています。無駄な仕事や不要な仕事などあるはずもなく、どの仕事も唯一無二の尊い仕事です。これが「職業に貴賤なし」の意味するとこだと個人的に解釈しています。

たまに自分の仕事は会社あるいは世の中を牽引しているという言葉を聞きます。頼もしい言葉で、社会人として持っていなければならない気概だと感じます。一方で、私の仕事はそうだが、あなたの仕事は違う、という意味で使っている場合あり、それはまったくの誤った見解であると断言できます。もちろん、給与には差がありますし、業務の難易度も異なります。世間の見方も変わるでしょう。けれども、それによって仕事の尊さに差がつくことはないはずです。

たくさんの仕事に触れる求人広告のコピーライターとして、こうしたことも伝えていければと思っています。もちろん、求人広告などに「これは社会にとって意義のある仕事だ」などと書きたてるということではありません(笑)ただ、自身が制作する求人広告など採用コンテンツによって、「こういう仕事もあるんだ」「自分に合いそうだ」「ぜひやってみたい」と感じてもらい、実際に仕事を始めてから「良い仕事に出合えた」と感じてもらえれば、最高でしょう。並行して、まだ出合ったこととのない仕事を一つでも多く見ていきたいと思います。

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