KCCの求人レポート（2020年10月31日発表）

‘20年10月のKCCによる求人レポートです。新型コロナウイルスの感染者数は、増加の一途を辿っています。フランスは第二波の襲来で2回目のロックダウン（都市封鎖）を10月30日～12月1日まで実施する模様です。

ドイツも10月28日に、飲食店の営業を禁止することを発表。ヨーロッパ圏の緊迫度が高まっている状況です。日本国内においても東京都内の感染者数は、連日100人を上回る速報が続いています。

新型コロナウイルスへの対策は数年単位の長期戦を覚悟する必要があるのでしょう。人材に関する話題も、採用よりも早期退職や出向、再就職といったキーワードを目にすることが多くなっているように感じます。今月も媒体社ごとの動きを見ていくことで、中途採用市場の実際を見ていきたいと思います。

求人倍率について（8月）

‘20年8月（’20年09月に発表）の全体求人倍率は1.65倍（前月比＋0.04pt ※doda発表による）。先月からは微増です。「doda」の解説によると『求人数、転職希望者数ともに減少したものの、転職希望者の減少のほうが大きく、求人倍率は上昇。』となっています。

業種ごとの傾向を見ると、金融とIT・通信の順に落ち込みが少ない状態。「doda」の解説によると『「IT・通信」（前月比97.3％）では、IoTなどの先端技術を活用した企業のデジタルトランスフォーメーション関連の求人や、出社制限を行っている企業でフルリモート可の求人が増加する動きが見られました』とのことでした。

求人媒体各社の求人掲載数は？（10月）

「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の主要4媒体に加えて、「type」「re就活」の求人広告件数は、合計で127,198件（前月比＋1,612件）。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビNEXT」がトップシェアをキープ（「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています）。シェアの順位は変わらない模様です。なお、「エン転職」以外の媒体が、求人数を先月よりも増加させています。もっとも、求人数自体は増えていても経済の停滞感は拭えません。今後の先行きが不透明ないまこそ、求人媒体各社の掲載数に注目していきたいところです。

IT求人数についての考察（10月）

「IT・通信」業界における10月の求人数は、約1,000件増加しました。年内は増加傾向が続くのではないでしょうか。米マイクロソフトの「Azure」の売上高が前年同期比31％増の152億ドルとなった報道なども出ています。

ニューノーマルな生活にクラウドの活用は必要不可欠。引き続き、ITエンジニアを求める企業は増え続けるでしょう。

KCCでは引き続き、企業人事にお役立ていただくための求人レポートを続けていきます。