KCCの求人レポート（2020年12月31日発表）

‘20年12月、KCCによる今年最後の求人レポートです。緊急事態宣言や東京オリンピックの開催延期、テレワークやオンライン面接を大手企業各社が実施するなど、新型コロナウイルスの影響でさまざまな出来事がありました。

現在、東京都内の感染者数が800人を超える報道が連日続いています。一方、米ファイザーと独ビオンテック製のワクチン開発が終了しました。12月11日にアメリカの食品・医薬品庁（FDA）から緊急使用の認可を得て、12月14には全米150カ所の病院に届けられた、というニュースもあります。

今回の新型コロナウイルスの脅威は、まだ収まる兆しを見せません。皆様には引き続き、三密を避ける、マスクの着用、こまめな手洗いを続けることで、しっかりと予防に努めていただければと思います。それでは今月も媒体社ごとの動きを見ていくことで、中途採用市場の実際を捉えていきたいと思います。

求人倍率について（10月）

‘20年10月（’20年11月にdoda発表、中途正社員）の全体求人倍率は1.65倍（前月比＋0.04pt）。先月から微増しました。「doda」の解説によると『人数、転職希望者数ともに増加したが、求人数の増加のほうが大きく、求人倍率は上昇』となっています。

業種ごとの傾向を見ると、メディア系のみが微増。「doda」の解説によると『求人数が前月比で8業種（「その他」を除く）すべてで増加。前月比で求人の増加率が最も大きかったのは「メディア」（前月比117.6％）、次いで「金融」（前月比114.5％）。前年同月比では「金融」（前年同月比86.7％）、次いで「IT・通信」（前年同月比75.6％）の順に落ち込みが少なかった。』とのことでした。

※厚生労働省が発表している‘20年10月の有効求人倍率（季節調整値）は1.04倍です。KCCでは来年度から、厚生労働省発表の有効求人倍率も併記したレポートに変更を予定しています。

求人媒体各社の求人掲載数は？（12月）

「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の主要4媒体に加えて、「type」「re就活」の求人広告件数は、合計で141,206件（前月比＋7,911件）。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビNEXT」がトップシェアをキープ（「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています）。シェアの順位は変わらない模様です。なお、dodaが前月比で＋4,769件。リクナビNEXTが前月比で＋2,422件といった状態で、ほかの求人媒体と比較すると大きく求人数を増やしています。求人数だけで見ると、新型コロナウイルスの影響を受ける前の今年1月の求人数（139,127件）を上回りました。

来年以降も各求人媒体の求人数に注目していきましょう。

IT求人数についての考察（12月）

「IT・通信」業界における12月の求人数は28,439件。前月比で見ると＋1,557件です。求人数の増加に大きく貢献しているのはdodaで、前月と比較すると＋1,480件といった状況です。

「IT・通信」に対して、求人媒体の中でdodaが一歩リードでしていると見ていいでしょう。一方で、他の求人媒体がやや足踏み状態なのが気になります。来年以降もこの傾向は続くのか、もしくはいずれかの媒体が戦略を変えていくのか注目されます。

KCCでは引き続き、企業人事にお役立ていただくための求人レポートを続けていきます。

今年一年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。