KCCの求人レポート（2020年7月20日発表）

‘20年7月のKCCによる求人レポートです。先月時点では終息を迎えたように思えた新型コロナウイルス。6月20日の都内感染者数は39人に落ち着いてました。しかし、6月28日になると60人。7月2日には100人を超え、7月9日には200人の感染者が確認され、4日間連続で200人以上の感染者数が報道されている状態です。母数である検査人数が増えている背景があるものの市中感染者数は増え続けています。

この状況下で多くの企業は、人材採用という投資に踏み切るのが難しいと言わざるを得ません。新型コロナウイルスの動向は、いまだに予断を許さないのが実際のようです。今月も媒体社ごとの動きを見ていくことで、中途採用市場の実際を見ていきたいと思います。

求人倍率について（5月）

‘20年5月（20年06月に発表）の転職の全体求人倍率は2.03倍（前月比－0.55pt）。4月と比較すると大きく減少しました。KCCがレポートをスタートして以来最低の数字です。「doda」の解説によると『転職希望者数は微増しましたが、求人数が2割ほど減少したため、求人倍率は下降しました。前月比で求人数は79.9%、転職希望者数は101.4%となりました』となっています。

業態ごとの傾向を見ると、すべての求人倍率が減少しました。好調を維持していた「IT・通信」でさえ－2.01ptとなっています。7月までの状況を見ていると、緊急事態宣言が発出されていた5月が最も中途採用市場が停滞していた期間だったようです。

求人媒体各社の求人掲載数は？（7月）

「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の主要4媒体に加えて、「type」「re就活」の求人広告件数は、合計で116,762件（前月比＋4,458件）。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビNEXT」がトップシェアをキープ（「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています）。シェアの順位は変わらない模様です。「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」と「type」は、求人数を先月よりも増加させています。一方、「doda」と「re就活」の掲載件数が伸びておらず、求人件数が回復したとは言い難い状況です。引き続き媒体社の動きからは目が離せません。

IT求人数についての考察（7月）

「IT・通信」業界における7月の求人数は、6月から先月に続いて微増。新型コロナウイルスの感染拡大の状況が一時期落ち着いていた影響で、業界各社のシステム開発投資が再び走り出した結果だと考えられます。一方で、7月19日時点では、都内の感染者数が再び増え続けている報道が続いており、政府が主導していた旅行の補助金がでる「GO TOキャンペーン」の対象から東京発着の旅行プランが対象外となる事態も起きています。

再び、業界各社がシステム開発投資にストップをかける事態も予測されます。そのため「IT・通信」業界の掲載件数も低下する可能性は高いでしょう。

KCCでは引き続き、企業人事にお役立ていただくための求人レポートを続けていきます。