‘20年2月のKCCによる求人レポートです。転職サイト「doda」が発表している月毎の求人倍率レポートをベースに、KCCが独自にリサーチ・考察した情報を発信します。中途採用のトレンドチェックにお役立てください。
求人倍率について
19年12月(20年01月に発表)の全体求人倍率は3.14倍(前月比+0.33pt)。過去4カ月にわたって求人倍率は伸び続けています。もっとも、求人数は前月比99.99%、転職希望者数は前月比89.4%のため、転職希望者数の低下(年度末である影響が考えられます)が全体求人倍率を高めた要因のようです。
業界別でみると、「サービス業」のみ+0.4pt。それ以外の業界は+0.1~0.3ptに留まります。いずれの業界も、転職希望者の低下に伴う求人倍率のUPであることがうかがえます。
転職求人倍率 | 2019 | 2020 | ||
11 | 12 | 1 | 2 | |
全体 | 2.81 | 3.14 | ||
IT・通信 | 7.85 | 8.84 | ||
メディア | 2.03 | 2.34 | ||
金融 | 2.06 | 2.31 | ||
メディカル | 2.53 | 2.63 | ||
メーカー | 2.1 | 2.31 | ||
商社・流通 | 1.26 | 1.41 | ||
小売・外食 | 1.05 | 1.22 | ||
サービス | 3.22 | 3.66 | ||
その他 | 1.34 | 1.41 |
求人媒体各社の求人掲載数は?
「doda」「リクナビ」「マイナビ」「en転職」の主要4媒体に加えて、「type」「Re就活」の求人広告件数は、合計で143,252件。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビ」がトップシェアをキープ(「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています)。その他媒体の掲載数も前月比UPしていますが、シェアの順位は変わらない模様です。
媒体の求人件数 | 2020年 | |
1月 | 2月 | |
全体 | 139,127 | 143,252 |
doda | 77,987 | 78,945 |
リクナビ | 40,857 | 41,615 |
マイナビ | 11,969 | 13,568 |
en転職 | 5,034 | 5,585 |
type | 2,348 | 2,497 |
re就活 | 932 | 1,042 |
IT求人数についての考察
先月に続き、今月も「IT・通信」について考察します。2月の求人数は全体をみてもほぼ横ばい、求人媒体各社においても同様です。転職サイトdodaが発表している求人倍率は昨年12月時点で8.84倍。しかし、2020年に入って10倍を超えるのではという声も業界で聞こえてきています。
IT求人 | 2020年 | |
1月 | 2月 | |
全体 | 25,257 | 25,339 |
全体比 | 18% | 18% |
doda(IT) | 14,114 | 14,419 |
全体比 | 18% | 18% |
リクナビ(IT) | 8,466 | 8,041 |
全体比 | 21% | 19% |
マイナビ(IT) | 1,057 | 1,123 |
全体比 | 9% | 8% |
en転職(IT) | 439 | 476 |
全体比 | 4% | 4% |
type(IT) | 1,042 | 1120 |
全体比 | 44% | 45% |
re就活(IT) | 139 | 160 |
全体 | 15% | 15% |
「IT・通信」業界は、業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を筆頭に、自動化・AI活用などの要望が増え続けている状況です。景況感に左右されず、需要がなくなることはないでしょう。
経済産業省の発表では、2030年にはIT人材が約59万人不足すると予測されています。そのため、今後ますますIT関連企業の人材争奪競争は加速するはずです。採用競合との差別化を図るには、業界全体の動きと求職者側の状況・心理を知ることが不可欠。引き続き、企業人事のお役に立てていただくため、KCCによる求人レポートを続けていきます。
it引用元:経済産業省 IT人材調査
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/27FY/ITjinzai_report_summary.pdf