KCCの求人レポート（2021年3月28日発表）

‘21年3月、KCCによる求人レポートです。1月8日の発出以来続いていた緊急事態宣言は、3月21日に解除されました。これに伴って東京都内の飲食店への営業時間短縮要請がこれまでの午後8時から1時間延長。経済活動の動向が注目される一方で、都内の新規感染者が連日300人を超えるなど、再び感染拡大の足音が忍び寄っています。

65歳以上の高齢者を対象としたワクチンの接種終了時期は４割が決まらず。といったニュースもあり、コロナ禍は数年単位で続くことが予想されます。もっとも、この状況が続くのではあれば、それを見越したうえで採用計画を立てることが有効です。

自社にあった採用計画をたてるためにもぜひKCCの求人レポートをお役立ていただければと思います。

求人倍率について（2021年1月）

‘21年1月（’21年2月に発表）の転職正社員の全体求人倍率は1.83倍（前月比－0.19pt／前年同月比－0.77pt）。半年間に渡って増加していた求人倍率は、1月になって減少しました。「doda」の解説によると『求人数、転職希望者数ともに増加したものの、転職希望者の増加のほうが大きく、求人倍率は低下。※求人数は前月比104.2%、前年同月比77.1％。転職希望者数は前月比114.8%、前年同月比109.3%。』とあります。

業種ごとの傾向を見ると、「技術系（電気・機械）」「専門職」以外のすべてで増加。「doda」の解説によると『前月比で求人の増加率が最も大きかったのは「メディア」（前月比108.7％）、次いで「商社・流通」（前月比108.2％）。前年同月比では「サービス」（前年同月比83.1％）、次いで「IT・通信」（前年同月比82.6％）の順に落ち込みが少なかった。』とのことでした。

※厚生労働省が発表している‘21年1月の有効求人倍率（季節調整値）は1.10倍です。

求人媒体各社の求人掲載数は？（3月）

「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の主要4媒体に加えて、「type」「re就活」の求人広告件数は、合計で154,880件（前月比－538件）。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビNEXT」がトップシェアをキープ（「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています）。「マイナビ転職」と「re就活」が、どちらも1,000件近く求人数を減らしていることに注目です。求人媒体社の戦略変更に伴う結果かもしれません。来月以降も刮目していきましょう。

IT求人数についての考察

「IT・通信」業界における2月の求人数は32,813件。前月比で見ると＋376件で微増です。求人数が減った「マイナビ転職」「type」「re就活」以外の媒体は増加しました。相変わらず「doda」のITエンジニア求人数が多い模様です。

コロナ禍が続くと予想される今後2～3年間はITエンジニア職の募集は安定して増え続けると考えられます。これを自社の採用にどのように活かすかを考えることが、人事・採用担当者にはこれから益々求められるのではないでしょうか。

KCCでは引き続き、人事・採用担当者にお役立ていただくための求人レポートを続けていきます。