KCCの求人レポート（2020年6月29日発表）

‘20年6月のKCCによる求人レポートです。新型コロナウィルスの感染拡大防止を目的とした緊急事態宣言は5月25日に解除されました。その後、東京アラートの発令もありましたが、続けて解除。6月19日からは移動自粛の全面解除を政府が表明しました。

イベントの開催制限も緩和されており、無観客試合ではありますがプロ野球も6月19日から開幕されています。もっとも2020年は実質的に3月～6月まで経済活動が大きく停滞しました。この影響が中途採用市場にどの程度与えたのか。今後も減少が続くのか。もしくは今後は伸びるのか。これからの中途採用市場を鑑みるうえでの参考にお役立ていただければと思います。

求人倍率について

‘20年4月（20年05月に発表）の転職の全体求人倍率は2.58倍（前月比＋0.04pt）。先月3月と比較すると微増しています。「doda」の解説によると『求人数、転職希望者数ともに1割ほど減少しましたが、転職希望者数の減少幅のほうが大きかったため、求人倍率は上昇しました。前月比で求人数は89.5%、転職希望者数は88.1%となりました。』となっています。

業態ごとの傾向を見ると「IT・通信」と「メディカル」以外、すべて求人倍率が減少。新型コロナウィルス禍で、前月比で求人数が減っているものの需要増加や注目を集めている「IT・通信」と「メディカル」に、転職希望者が集まった背景があるようです。

求人媒体各社の求人掲載数は？

「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の主要4媒体に加えて、「type」「re就活」の求人広告件数は、合計で112,304件（前月比－2090件）。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビNEXT」がトップシェアをキープ（「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています）。シェアの順位は変わらない模様です。しかし、「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」と「re就活」は、求人数を先月よりも増加しています。各媒体社は、新型コロナウイルス禍でどのような取り組みをしているのでしょうか。現状の各媒体サイトを見ていきましょう。

■「doda」…サイトTOPに『オンライン面接や多様な働き方を推進している企業の求人特集』ページを開設。

■「リクナビNEXT」…サイトTOPに『新型コロナウイルス感染症拡大によるサービス影響のお知らせ』ページを開設。『Web面接あり求人特集』『在宅勤務制度がある求人特集』ページも開設。

■「マイナビ転職」…サイトTOPに『「WEBで会える」マイナビ転職フェア特集【6/19更新】』を開設。現在5社の企業が会社説明動画を掲載中。『カジュアルWeb面談特集』ページも開設。

■「エン転職」…サイトTOPに『Web・電話面接ありの会社特集』のページを開設

■「type」「re就活」…サイトTOPでは、新型コロナウイルス感染拡大防止に関わる特設ページなどは確認できず（※6月20日現在）。

IT求人数についての考察

「IT・通信」業界における6月の求人数は、5月よりも若干の微増。引き続き、新型コロナウィルスの影響で業界各社のシステム開発投資にストップがかかっていることが影響しているようです。

もっとも、「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の3媒体は、掲載数を伸ばしており、特に「エン転職」は新型コロナウイルスの影響を受ける前の1～3月と比較しても過去最大の掲載数です。来月以降、さらに細かくリサーチする予定です。

KCCでは引き続き、企業人事にお役立ていただくための求人レポートを続けていきます。