KCCの求人レポート（2021年1月30日発表）

‘21年1月、KCCによる今年最初の求人レポートです。1月30日現在、コロナ禍における2回目の緊急事態宣言が発出されています。1月8日の発出直後は、2月7日までを目途にする発表でした。しかし、いまだに都内をはじめ全国で感染者数が減らない状況を鑑みると、2月８日以降も延長されることが予想されます。

求人の情勢に目を移すと、厚生労働省が1月29日発表した平均の有効求人倍率は1.06倍（2020年12月、季節調整値）でした。2019年同月は1.57倍（季節調整値）ですので、0.51ポイント低下です。

新型コロナウイルスの影響で、雇用情勢は穏やかではないことは明らかです。求人広告に第一線で携わっている営業職の知人からは「中途の場合、昨年末に求人広告の掲載数自体は新型コロナウイルスが蔓延しはじめる前に戻った。一方で、1つの求人に対する応募者の数が体感地で半分程度になっている」という話も聞きます。

米国ファイザー社をはじめ製薬メーカー各社が新型コロナウイルス用のワクチンを開発し、普及が始まっています。しかしながら今年1年間はパンデミックが落ち着くことはなさそうです。

もはやこれまでの働き方やキャリア観が通用しなくなっていきている状況です。激動の時代を迎えた今だからこそ、KCCは中途採用市場の実際を追いかけていきます。

求人倍率について（2020年11月）

※以下のKCCの求人レポートは、中途正社員採用のみに限定した転職サイトdodaの求人倍率を元にしているため、正社員・パート/アルバイトをまとめている厚生労働省発表の有効求人倍率と相違があります。また、2カ月のタイムラグがあるため、現状の肌感覚とは違いが生じる場合があります。

dodaの‘20年11月（’20年12月に発表）の全体求人倍率は求人倍率は1.79倍（前月比＋0.14pt／前年同月比-1.02pt）。前月（2020年10月）に続いて微増しました。dodaの解説によると『転職希望者数は減少したものの、求人数は増加し、求人倍率は上昇』とあります。

業種ごとの傾向を見ると、「金融」以外のすべてで増加しました。dodaの解説によると『前月比で求人の増加率が最も大きかったのは「サービス」（前月比105.3％）、次いで「小売・外食」（前月比104.8％）。前年同月比では「金融」（前年同月比77.9％）、次いで「メディカル」（前年同月比77.7％）の順に落ち込みが少なかった。』とのことでした。

なお、厚生労働省が発表している‘20年11月の有効求人倍率（季節調整値）は1.57倍です。

求人媒体各社の求人掲載数は？（1月）

「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の主要4媒体に加えて、「type」「re就活」の求人広告件数は、合計で143,187件（前月比＋1,981件）。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビNEXT」がトップシェアをキープ（「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています）。シェアの順位は変わらない模様です。なお、dodaが前月同様に好調で前月比で＋２,183件。「エン転職」が前月比で＋255件、「type」前月比で＋128件といった状態。求人数だけで見ると、前月から引き続き増え続けている一方で、転職希望者は応募に慎重になっている傾向のようです。

来月以降も各求人媒体の求人数に注目していきましょう。

IT求人数についての考察（1月）

「IT・通信」業界における12月の求人数は30,572件。前月比で見ると＋576件です。前月比－2件だった「マイナビ」と前月比―22件だった「re就活」以外の媒体で、ITエンジニア職の求人数が増えました。 

緊急事態宣言に伴い企業にテレワークの導入が促されている今、求人市場におけるITエンジニア職の募集が増えることは明白です。今後も「IT・通信」業界に注目していきましょう。

KCCでは引き続き、企業人事にお役立ていただくための求人レポートを続けていきます。

今年もよろしくお願いします。