KCCの求人レポート（2021年8月31日発表）

‘21年８月、KCCによる求人レポートです。オリンピックが終わり、現在パラリンピックが9月5日までの日程で開催されています。一方で、東京都内の感染者数は連日5000人前後となり、いまだに予断を許さない状況です。身近な人のなかにも、コロナを患った人の数が増えたように感じます。それどころか30代で基礎疾患無しの方が、コロナによって亡くなったというニュースまで目にするようになりました。

コロナ禍は終息するまで数年単位ではなく、数十年単位掛かるといった見解を示している研究者もいるくらいです。もっとも、一般の人々はできることを粛々と続ける以外にはありません。マスク、手洗い、ワクチン接種で、日がまた昇る時を待ちましょう。コロナ禍でもできる楽しみを探しながら。

中途正社員採用の求人倍率について（2021年6月）

‘21年6月（’21年７月に発表）の全体求人倍率は1.86倍（前月比＋0.01pt／前年同月比＋0.20pt／2019年同月比-0.49pt）。求人倍率は上昇しました。「doda」の解説によると『全体：求人倍率は＋0.01ptの1.86倍。求人数、転職希望者数ともに増加。求人数の増加のほうが大きく、求人倍率は上昇』とあります。

業種ごとの傾向を見ると、増加は「メディア」「金融」「メディカル」「商社・流通」「小売・外食」。「doda」の解説によると『前月比で求人の増加率が最も大きかったのは、「金融」（前月比113.8％）、次いで「小売・外食」（前月比112.2％）でした』とのことでした。

※厚生労働省が発表している‘21年４月の有効求人倍率（季節調整値）は1.13倍です。

求人媒体各社の求人掲載数は？

「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の主要4媒体に加えて、「type」「re就活」の求人広告件数は、合計で181,475件（前月比＋4,774件）。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビNEXT」がトップシェアをキープ（「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています）。今月も「doda」が前月から掲載数（＋3,512件）を伸ばしています。この要因は無料掲載キャンペーンが続いているためだと考えられます。また先月は掲載数が減っていた「エン転職」は前月から＋1,045件となっており、6,156件に上昇しています。

IT求人数についての考察

「IT・通信」業界における8月の求人数は37,799件。今月も「IT・通信」業界の求人数は増加です。「IT・通信」業界でも伸びているのは「doda」（前月から＋858件）です。先月は減少に転じていた「en転職」は、今月求人数が増加（前月から＋315件）しました。

今年に入ってから「IT・通信」業界は、一度も前月よりも求人数が減っていません。この状態は、年末まで続くのでしょうか。要注目です。