【現場系】転職サイトの求人広告 物流系各種ドライバーの作り方

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物流や陸運、工場、倉庫、土木、建築、内装など、いわゆる現場系の職種は、採用難易度が高い傾向にあります。実際、安易な広告設計をしてしまっては、応募・採用につながらないことが少なくありません。私はコピーライターとして人材業界に入ってから、現場系の職種には多く携わってきました。その過程で培ったノウハウや知見などをここで紹介させていただこうと思います。現場系といっても、広告作成の基本的な考え方が異なるということはありません(こちらを参照してください)。ただ、全体的な傾向や他の職種と異なる特徴もありますので、ここで紹介したことを、求人広告の作成はもちろんのこと、求人・採用活動の全般にわたり活かしていただければ幸いです。

今回は各種ドライバー(物流系)に焦点を当てて解説いたします。また、募集のターゲットは未経験とします。ただし、広く現場系職種に応用できる手法をご紹介しています。

不安払拭は重要なキーワード

ドライバーの仕事を探している求職者でも、積極的にドライバーになりたいと考えているかは別問題です。消極的な理由でドライバーという職種を選んでいる場合が多いのも実情でしょう。また、一口にドライバーといっても、仕事内容はさまざまです。求職者の多くはドライバーの仕事内容を十分には把握していないのです。

一方で、何となくのイメージは持っています。すなわち、体力的に厳しい、長距離、夜間、休みがない、残業が多い、大型免許が必要、運転技術が問われる、職人気質が多そう、馴染みにくい、土地勘が必要などです。これらは応募を阻害する不安要素となる可能性があるので、自社の実情とターゲットに合わせて払拭すると、応募効果に好影響を与える場合が少なくありません。

例えば、中規模の物流企業でドライバーの仕事内容を詳しくヒアリングしたところ、ドライバーと言いながら、運転している時間は2~3時間で、その他の時間は待機(書類整理)で実質は休憩時間になっていることがわかり、これらの事実を明示した結果、ターゲットからの多数の応募と採用につながったことがありました。別の例では、工場(プラント)敷地内を低速(時速20~30㎞)で運転し、残業もほぼゼロという仕事があり、これもこの事実を提示することで、ターゲットからの応募と採用につながっています。

一方で、近年ではこれらの不安要素を払拭することが必要最低限になっていることもうかがえます。つまり、不安払拭できるのであれば、必ずすべきだと言うこともできます。ただし、不安払拭はあくまで自社の実情とターゲットを鑑みた上で行わなければなりません。例えば、夜勤があるのにないと言っては虚偽になりますし、逆に夜勤を希望するターゲットを逃すことになります。繰り返しになりますが、求人広告作成の基本的な考え方は他の職種と変わりません。自社を知りターゲット設定を行った上で不安払拭をしないと意味がないどころか逆効果になってしまうこともあるのです。

仕事内容を詳しく紹介する

求人広告を作成する上では当たり前のことなのですが、仕事内容の詳述が求められます。なぜ当たり前のことをことさらに伝えるのかというと、上記にも触れている通り、ドライバーの仕事について詳しいことはわからないのにマイナスのイメージが先行しているところがあるからです。他の現場系職種でも同様のことはあり得ますが、問題は先行しているマイナスのイメージという部分です。求職者はドライバーへの転職を視野に入れているものの、積極的な気持ちにはなり切れていないと想定できます。

一方で、一口にドライバーといっても、仕事内容は千差万別です。自社のドライバーでも、部署によっては異なる仕事内容のこともあります。仕事内容は詳述し、場合によっては、募集のたびに書き直すことも求められるでしょう。仕事内容を詳述することが、そのまま不安払拭につながることあります。求職者にとっては思いがけない発見もあり、応募しようという気持ちを想起させるかもしれません。

ここで重要になってくるのが、率直に伝えることです。不安払拭を意識し過ぎると変に包み隠すようになってしまうのですが、それは得策とは言えません。どう隠そうとしたところで、入社後には実態が明らかになります。求人内容が実際と違っていたとなると、双方にとってマイナスです。誤った解釈をしたのは求職者のほうだ、という言い分を企業側はできますが、離職したら結局、何の意味もありません。厳しいところがあるのなら、それはそれで明記し、厳しいところもあるが、それ以上にいいところもあると、そう感じ取ってもらうように工夫するのが求人広告の意義であるはずです。

勤務条件が訴求点になることは多い。

ここでは、ターゲットを「ドライバーを視野に入れているが、それほど積極的にドライバーになりたいとは考えていない人」を想定しています。その上で、誤解を恐れずに言うなら、訴求のポイントは、どちらかというと、衛星要因(働く条件、つまり、給与、勤務体制、就業環境など)寄りになります(こちらもご参照ください)。この場合、楽できるなら楽できる、儲かるなら儲かるとストレートに表現するほうが高い効果をもたらすでしょう。

また、通常は敬遠される条件も、ターゲットによっては、プラスになることも多くあります。例えば、仕事中はいつも一人(没コミュニケーションの環境)、1年の半分以上が出張(遠方への輸送)、夜間勤務などが魅力になり得るということです。場合によっては、重い荷物を運ぶことすらプラスになることもあります。事実、「筋肉がつく職場です」みたいな感じ訴求してうまくいった例もあります。このほか、現場系全般に言えることですが、すぐに働けるということが訴求につながることも多くあります。即採用、即日勤務を強く打ち出し成功した例も多いです。

「そうはいっても、求人広告を出すなら、やはりやりがいを見せ、そこで訴求したい」という声があるかもしれません。しかし、無理やり作ったようなやりがいがプラスの効果をもたらす可能性は低いと考えられます。やりがいで訴求してはいけないと言っているのではありません。考えなくてはいけないのは、ターゲットにとって何がやりがいになるかということです。それは、のんびりと働くことかもしれませんし、高収入を得ることかもしれませんし、長距離ドライバーとして活躍することかもしれません。そこを考えてから、訴求点を絞りこむようにしてください。もちろん、企業側が見せたいやりがいを明記することは可能です。訴求点とするかどうかは別問題ということです。

ホームページを持とう。

ドライバーを募集する企業の、肌感覚では5分の1ほどが、ホームページ(HP)を持っていません。大手の求人サイトに求人広告を何度か出している出す企業でも、HPを持っていないケースがあります。はっきり言ってしまいますが、今の時代、HPを持たないことがプラスになることはまずありません。もしHPがないのなら、早期に作ることをおすすめします。

HPを持たない企業の多くが、BtoBで取引先が決まっており、これ以上の顧客開拓を目指していません。つまり、宣伝・PRが不要なので、HPの必要性を感じていないのです。新規の注文があっても、お断りしなければならない、ということも想定されます。

しかし、そうした場合であっても、HPは持っておくべきです。というのも、HPがあるのとないのとでは、求職者からの信頼度が大きく違うからです。求人サイトで求人広告を見つけたら、ほぼ必ずと言っていいほどHPをチェックします。求職者の多くは、求人サイトよりHPの情報を重視します。HPに書かれているほうが真実に近いと捉える傾向があるのです。採用のためにだけ持つと割り切ってもいいのではないでしょうか。たった一人を採用する場合でもHPを作ってください。

HPのメリットは、多くの情報を載せることができる点です。ただし、単にHPを作っても、大手は別にして、求職者に見られる可能性は極めて低いです。対して、求人サイトの求人広告には枠が決まっていますので、載せられる情報に限りがあります。多くの情報を載せようとしたら、それだけ広告料も高くなります。反面、求人サイトなら見られる可能性は何十倍にも高まります。中小企業でも求職者の目に触れる可能性は十分にあります。

考え方として、求人サイトはあくまで自社HPへの誘導という捉え方です。求人サイトへの出稿と自社HPはセットで考えます。求人サイトには無料のものもありますので、まずはそちらを利用してみるのもいいでしょう。また、求人サイトに限らず、他の広告枠を利用する手もあります。いずれにせよ、求人サイトと自社HPの相乗効果で採用を狙うのが、裁量の手段と言えます。

まとめ

・自社を知りターゲットを理解するという基本的な求人広告作成の流れは同じ。
・ターゲットはマイナスのイメージを持っていることがあり、不安払拭を目指す。
・就業環境や給与など働く条件が訴求点になることが多い。
・何がやりがいとなるかは、ターゲットの目線で熟考する。
・HPはほぼ必須。

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