KCCの求人レポート（2021年6月29日発表）

‘21年6月、KCCによる求人レポートです。緊急事態宣言は6月20日にようやく解除されました。東京五輪の開会を7月23日に控えているなか、心配なのは感染者数がリバウンドの傾向を示していることです。

為政者たちは安心・安全に東京五輪を運営することを掲げていますが、開催直前の現在も運営ルールは不明確な部分だらけのようにも感じます。この状況の中で市井の人々が実行できるのは、マスク・手洗い・三密回避といった基本的な感染拡大の防止策です。年齢を問わずワクチンの接種も進んでいます。自棄にならず、コロナ禍を乗り越えていきましょう。

求人倍率について（2021年4月）

‘21年4月（’21年5月に発表）の全体求人倍率は1.88倍（前月比＋0.02pt／前年同月比-0.70pt）。求人倍率は微増しました。「doda」の解説によると『求人数、転職希望者数ともに増加。求人数の増加のほうが大きく、求人倍率は上昇。※求人数は前月比102.6%、前年同月比90.9％。転職希望者数は前月比101.6%、前年同月比124.5%』とあります。

業種ごとの傾向を見ると、「IT・通信」「金融」「メディカル」「メーカー」「小売・外食」「サービス」で増加。「doda」の解説によると『前月比で求人の増加率が最も大きかったのは「サービス」（前月比104.8％）、次いで「メディカル」（前月比103.7％）。前年同月比では「サービス」（前年同月比100.1％）のみが増加した。』とのことでした。

※厚生労働省が発表している‘21年４月の有効求人倍率（季節調整値）は1.09倍です。

求人媒体各社の求人掲載数は？

「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「エン転職」の主要4媒体に加えて、「type」「re就活」の求人広告件数は、合計で172,776件（前月比＋8,780件）。直接応募が可能な求人広告の掲載件数は「リクナビNEXT」がトップシェアをキープ（「doda」は人材紹介からの応募のみを受け付けている求人広告が多数含まれています）。先月に引き続き今月も「doda」が前月から大幅に掲載数（＋5,679件）を伸ばしています。この要因は転職エージェントの求人広告（直接応募は不可）を扱っていることに加えて、無料掲載キャンペーンを併せて行っているためという情報がありました。「リクナビNEXT」や「エン転職」も前月から1,000件以上掲載数を伸ばしています。「doda」と同様にキャンペーンを行っていることが窺えます。

IT求人数についての考察

「IT・通信」業界における6月の求人数は36,144件。今月も「IT・通信」業界の求人数は増加を続けています。「IT・通信」業界でも「doda」の求人増加数（前月から＋1,248件）が目立ちます。このまま求人数においては、「doda」の独壇場が続くのでしょうか。他の媒体の動向にも注目したいところです。

なお、余談ではありますが、求人広告のトレンドに動画活用というキーワードが目立ちはじめているようです。次回は、媒体各社の動画活用の動向について調べてみたいと思います。