【求人広告の作り方14】効果検証と、PDCAを回すための工夫

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求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法⑭

本シリーズでは、中途採用向けの求人広告を作成するためのノウハウや技法、コツをお伝えしてきました。主に転職サイトに掲載するための求人広告を作ることを想定していますが、紹介したノウハウや技法、コツは採用コンテンツ全般に使えます。中でも、「誰が・誰に・何を・いかに」という意思伝達の流れを利用していることが、本シリーズでお伝えした作成法の特徴と言えます。「誰が・誰に・何を・いかに」の流れを理解すると、コンセプトメイキングやキャッチコピー・ボディコピーの作成が非常にスムーズになります。今回、シリーズの締めくくりとして、なぜ求人広告は論理立てて制作しないといけないのか、コンセプトメイキングはなぜ必要なのかをお伝えさせていただければと思います。

※本ページは「求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法」でお送りしているシリーズの第14回です。本会で一旦、このシリーズは終了となります。

効果を上げること以外にも、コンセプトメイキングには意義がある。

これまでかなりのページ数をかけて、求人広告(採用コンテンツ)の制作のノウハウを伝えてきました。もしかしたら、なぜいちいち「誰が・誰に・何を・いかに」を考えなくてはならないのか、コンセプトメイキングだか何だか知らないが、クリエイティビティを発揮してとにかく作ってほしい、刺さる言葉を持ってこい、と感じたかもしれません。ここまで読んでいただいたのなら、さすがにそれはないと思いますが、念のためにその疑問にお応えすると共に、コンセプトメイキングの必要性を述べたいと思います。

結論から言うと、その理由は3つあります。一つは広告・コンテンツの効果のため、もう一つは、効果検証、最後に再現性のためです。言ってみれば、求人広告のPDCAを回すために必要なのです。一つ一つ見ていきましょう。

効果については、説明の必要はないと思います。求人広告の目標・ゴールは明確です。それは、人材を採用すること。より正確には、活躍できる人材、採用要件に合った人材を採用することです。その目標を達成するため、コンセプトメイキングを行うのでした。

二つ目に効果検証に触れました。この場合の効果検証とは、転職サイトなどに一定期間、広告の掲載があった後に、応募数や応募者の質、内定率などを振り返ることを指します。理想の人材が採用できたなら、このコンセプトはうまくいったとなり、このターゲットにこの打ち出しは有効、という非常に価値のあるノウハウが一つ蓄積されます。一方、うまくいかなかった場合は、ターゲット設定がまずかったのか、打ち出しがよくなかったのか考えなくてはなりません。そしてここに、コンセプトメイキング、戦略立てて広告を作ることの重要な意味があるのです。

広告の出稿には次を見据える必要もある。

求人広告は水物で、百発百中はなかなか難しいのが現状です。中には、絶対に成功させると豪語するコンサルタントもいますが、カラクリがあります。広告出稿の際に複数の広告をコンセプトや媒体を変えながら出稿するのです。さらには反応を見ながら求人広告を大きく作り変えるなどします。そうしているうちに、必ず成功はします(要するにPDCAを回しています)。商品広告では当たり前のように実施されていますが、求人広告でここまで徹底できるかは企業規模や採用予算によるところもあるでしょう。いずれにせよ、一回・一つの広告(媒体)で思い通りの結果が必ず出せるとは言い切れ切れません。応募から採用・入社までの可能性を最大限にまで高めるのが、本シリーズでお伝えしている技法です(本当は必ず効果は出ると言いたいですが、そういうと怪しいコンサルタントになってしまいますので。とはいえ、必ず応募までに結び付くと豪語したい気持ちはあります)。

ちょっと話がそれましたが、要するに、必ずしも一回・一つの広告(媒体)で思う通りの結果は得られないこととも視野に入れなければならないということです。うまくいかなかった時は、応募は集まったが内定には至らなかった、もう少しターゲットをセグメントをしよう、どうもターゲットの志向性と打ち出しが合っていないようだ、打ち出しを変えよう、質のいい人材から応募はあったしターゲットと打ち出しは合っている、もう少し様子を見よう、ターゲットと打ち出しに間違いはないから表現を練ってみよう、などと、分析を行いながら次の方針を立てます。その上で、転職サイトに新たな求人広告を出稿するなどします。

この時、コンセプトメイキングをせず適当に求人広告を作っていては、何が良くて何が良くなかったのかがわかりません。ただの失敗で次につなげることもできない。広告費と広告制作の時間を無駄に浪費しただけで終わったということです。

広告効果を狙って出す。

次に、再現性について触れます。この場合、再現性とは、同じような効果の出る広告をもう一度作ることを指します。

広告にはまぐれ当たりがあります。適当に作った広告だが良い人材が採用できた、ということは時々、起こり得ます。結果だけを見れば、それはそれでいいのかもしれません。ただし、同じような人材をもう一度採用しようとなった時に問題が生じます。同じ広告を出しても、応募が全然ないことがほとんどだからです。

広告を見ても何が良いのかよくわからないから、変にいじれない。結局、一から作り直すか、またまぐれ当たりを期待して同じ広告を出すことになります。それならと、広告を見て応募した本人にどこに引かれたか話を聞いたとしても、おそらく思いもしない部分に魅力を感じたとわかり、大概の場合は一から広告を作りなすことになります。

さらに、以前にもお伝えしましたが、転職者の言葉を金科玉条にし過ぎないバランス感覚は非常に大事です。特にたまたま応募してきたいい人材は「勤務地が家から近かったから」などと言いがちです。にもかかわらず、「うまくいった広告から採用できた人材の言葉」だからと、変に重きを置くことが多いので、注意が必要になるのです。

まぐれ当たりの罪作りなところは、それでいいと錯覚させてしまうことです。広告を出した側はまぐれ当たりとも思っていません。これでうまくいったのだからと同じような広告を作らせ、うまくいかなかったらなんでだとなり、ドツボにはまっていきます(広告設計がちゃんとできているかどうかはプロが見ればすぐにわかりますので、もし以前は効果があったのに今はなくなったということがあれば、一度うまくいった広告を拝見させていただければと思います。分析いたします)。

一方、意図的に作った広告であれば、ターゲットや打ち出しを変えず、表現だけ新しく作り変えることが可能です。つまり、「誰が・誰に・何を」までは同じで「いかに」だけを変える。コンセプトメイキングまでは完成しているので、制作もスムーズに進むことでしょう。これが再現性の重要な意味です。

広告はどんなにうまく作っても、いずれ飽きられてしまう性質があります。効果が出ている広告もやがて効果が落ち、差し替えを迫れる場面がでてきます。このため、特に継続して中途採用を行うことが決まっている場合は、意図して広告を作ることが求められるのです。最終的にどう表現を変えても(あるいは元に戻しても)以前のような効果が得られなくなったら、「誰が・誰に・何を」に立ち返り、コンセプトメイキングしなおします。適当に作っていたらこうはいきません。意図すること、戦略的になることの重要性はおわかりいただけたと思います。

まとめ

・コンセプトメイキングする理由は、効果、効果検証、再現性のため。
・コンセプトメイキングができていれば、何が良く何が良くなかったかの分析ができる。
・コンセプトメイキングができていれば、同じ効果を再び狙って出せる。
・コンセプトメイキングができていれば、後の作り変えが非常にスムーズ。

冒頭でお伝えした通り、「求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法」シリーズは第14回の今回で終了します。また折に触れて広告制作やライティングについて記事化しますので、ご期待いただければ幸いです。

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