KCC設立の趣旨
求人広告の歴史は古く、約3000年前の尋ね人広告が始まりだったと言われています。以来、現在に至るまでさまざまな広告が出稿されています。その中で、もっとも有名な一つが1900年ごろにロンドンの新聞に出されたと言われる、南極探検家アーネスト・シャクルトン卿の隊員募集の広告でしょう。
MEN WANTED for Hazardous Journey.
Small wages, bitter cold, long months of complete darkness, constant danger, safe return doubtful.
Honor and recognition in case of success.Ernest Shackleton
至難の旅につき、男たちを求む。
僅かな報酬、極寒、何カ月にも及ぶ暗黒、不断の危険、生還の保証はない。
成功の暁には名誉と賞賛を得る。
いかにも「命知らずの男子」の心をくすぐる内容で、爆発的な応募があったという話もあります。このほかにも、U.S.Armyの「I want you」も広く知られています。日本国内に目を転じてみても、多様な求人広告が送り出されてきました。特に近年はWeb媒体の台頭もあり毎年、年間に数千とも数万とも言われる数の求人広告が出稿されています。
しかし、いつも思います。これだけの数が出ている求人広告ですが、まだまだ真の力を発揮できていないのではないか、と。求人広告はまだまだ大きな可能性を秘めているのではないかと。
実は、これまで求人広告を体系的にまとめ、その価値と可能性を広く伝えながら、質的向上を目指す試みは、個別に企業などで突発的に行われてきたものの、ほとんどされてきませんでした。こうした状況を受け、ここに求人広告コピーライターズクラブ(KCC)を発足させるに至りました。
近年、採用手法が多様化され、求人広告をはじめ、紹介、ダイレクト・ソーシング、リファラルなどが活用されています。この背景には採用難があり、単一の手法では採用が困難な状況に直面しています。一見、これまで採用の主流であった求人広告の役割が相対的に小さくなったように感じるかもしれません。
しかし、実態は真逆です。採用が難しい中で、求人広告のみに頼らざるを得ないケースも少なからずあるからです。また、他の手法と連動・連携を考慮する場合も、文字通り求職者に広く告知する求人広告は欠かせないツールで、より多様な役割を求められることになります。総じて、質の面でこれまで以上に大きな期待がかけられていると言っていいいでしょう。
KCCは、採用難の課題解決を図るべく、意欲的な活動を継続させます。
2019年12月 KCC 会長 中谷藤士
<KCCの役割>
・求人広告(主に中途)の質的向上、可能性の開拓、認知の向上
<KCCの活動内容>
・求人に関する情報の発信
・求人広告大賞の設立
・優れた求人広告の表彰
<スタッフ>
磯井啓輔(求人広告ライター・Webディレクター)
理事長
大学卒業後、実用書籍を発行している出版社に勤務。その後、医学専門書籍を発行する出版社を経て、人材総合サービス企業パーソルキャリア株式会社(旧株式会社インテリジェンス)に入社。求人広告ライターとしてのキャリアをスタートし、2,000社以上の求人広告制作に携わる。Webディレクターとして新規事業部門におけるコンテンツ企画の立案実績も多数。