【求人広告の作り方5】求職者に良い未来を見せるのが訴求のコツ

B!

求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法⑤

前章で転職は求職者の課題を解決するものだとお伝えしました。であるなら、求人広告など採用コンテンツは、その課題を解決できるもの、ちょっとビジネス的に言うならソリューションを示さねばならず、ソリューションはそのままコンテンツの打ち出し(訴求点)となります。課題に対する解決策をストーリー仕立てにするのが有効なのは、これもまた前章で述べた通りです。前置きが長くなりましたが、本章は、打ち出し・メリットを提示する時のコツ、ストーリーを作る際の軸となる考え方を紹介します。

※本ページは「求人広告(採用コンテンツ)、超作成方法」でお送りしているシリーズの第5回です。

転職すると、何が変わるのか。

何度も言っていますが、採用コンテンツでは、自社の言いたいことをそのまま言ってはいけません。あくまで主体を求職者の側に置き、「求職者の聞きたいこと」を言う必要があります。私はよく、「言いたいことを聞きたいことに転換する」などと言っていましたが、企業側が言いたいことを言ってしまったら単なる要求です。しかし、その要求を求職者視点のメリットに変えることもできるのです。

具体的な例を示しましょう。「当社は新しい発想をできる人材を求めています」と記述すると、可もなく不可もなしで、ともすると少し偉そうな感じがします。これを例えば「これまでにない提案は大歓迎。あなたの発想やチャレンジが形になります」とすれば(まあ、これも安っぽい表現と言えば表現なのですが)、それなりのメリットには聞こえるはずです。これを単なる表現のテクニックととらえないでください。確かにテクニックではあるのですが、その裏側にある考え方を知ってほしいと思うのです。

一つは既に述べたように、求職者の側に立ち「言いたいことを聞きたいことに転換する」ということ。もう一つは、「求職者に未来を見せる」ということです。簡単に言えば、あなたの会社に転職することで、求職者がどうなれるのかを伝えるということです。この2つは、採用コンテンツを制作するに当たり、非常に有力なコツでありテクニックであり考え方です。この考え方を身につけることで、あなたの携わる採用コンテンツは二倍も三倍もよくなることは間違いありません。

求職者の未来を見つめることで、一歩踏み込んだ表現もできる。

表現の話が出たので、ここで少し表現のことにも触れましょう。最近は「求職者に『刺さる』ことを書いてほしい」と要望されることが増えました。いつのころからか「刺さる」が採用コンテンツの制作で使われるようになりましたが、あまりはっきりとした定義はありません。何となくの共通認識で口にしていることも多いと思いますが、敢えて定義をするなら、刺さる=「求職者を動かす(言葉・表現・コピー)」ということになるでしょう。では、何が「刺さる」かなのですが、それはターゲット設定と打ち出し、そして、転職者の未来を見つめることにかかっていると断言できます。

例示を細かくすると話が横道にそれるので敢えて簡潔化しますが、ターゲットを「安定を求めている人」と設定し、打ち出し(訴求点)を、「盤石の経営基盤」とします。例えば、キャッチコピーとして「当社には盤石の経営基盤があります」と書いたとします。これはこれでないこともないですが、企業が言いたいことをそのまま言った感じは残ります。やはり表現に落とし込み、見る人の目を引き心をつかむ方向に持っていきたいとするなら、例えば「安心して住宅ローンも組んでいただけます」「入社後、結婚する人がたくさんいます」「10年先20年先も、社会に必要とされ続ける仕事ができます」というような表現になります。

出来に関する評価はさておき、企業目線から求職者目線に変わり、「転職者の未来」が描かれているように思えませんか。もちろん、このままでまだまだ「刺さる」とまではいきませんので、さらに企業を知り、ターゲットを知り、つまり「誰が・誰に・何を・いかに」を突き詰めてコンセプトメイキングすると、本当に「刺さる」コンテンツになっていきます。ただし、一点注意点です。「安定性」というところから派生し、変に「経営の手堅さはSS級」などとやってしまうと、それは単なる言葉遊びで、まったく考えなくていい方向性です。こういうのを尖がった表現などと思わないでくださいね。

さて、「言いたいことを聞きたいことに転換する」、「求職者に未来を見せる」の二つのことについて、理解が深まったでしょうか。ほんのちょっと頭を切り替えるだけで、驚くほど訴求力の強いコンテンツ制作が可能になりますので、ぜひ普段からご活用ください。

まとめ

・企業の言いたいことをそのまま言ってはダメ。
・言いたいことを求職者の聞きたいことに転換する。
・転職者の「未来」を見せるとより訴求力が強まる。

次回第6回は⇒こちら

最新の記事はこちらから